朝ドラ「ちゅらさん」の影響ですっかり有名になった「ゴーヤーチャンプルー」。
今では沖縄じゃなくても各地で食べられるようになりましたが、沖縄で食べる「ゴーヤーチャンプルー」の味は格別です。
私Yumixも東京で「ゴーヤーチャンプルー」を食べたことがありますが、沖縄に移住してから食べると味が全く異なっていたので衝撃を受けました。
調べてみると沖縄のゴーヤーチャンプルーがおいしいのはワケがあったのです。
沖縄のゴーヤーチャンプルーがおいしいワケ
沖縄のゴーヤーチャンプルーがおいしいワケは次の3つだと私Yumixは考えます。
- 豆腐が異なっている
- 塩が異なっている
- ゴーヤーの種類が異なっている
詳しく見ていきましょう
豆腐が異なっている
ほとんどの方が知らないと思いますが「チャンプルー料理」とは「島豆腐を使った炒め物」のことを言います。ゴーヤーチャンプルーに欠かせない島豆腐が県外では入手困難なので木綿豆腐などで代用していることもあるからです。
なぜ入手困難なのかは製造方法や流通方法が理由です。
一般的な豆腐と島豆腐は製造方法も味も異なります。
一般的な豆腐は、大豆を水に浸してすりつぶした呉(ご)を、煮てからこす「煮とり」や「煮しぼり」という方法で作られています。
島豆腐の作り方は「生しぼり法」といって、生呉(なまご)を煮ず、絞って豆乳と生おからに分けてから、豆乳ににがり・水・塩を加えてから煮込み、凝固させます。型に入れて重石をした後、よく水気を抜いて堅く仕上げます。
最近では「生しぼり法」の事業者ではなく「煮しぼり」の業者も増えているそうです。昔ながらの製法で作られた島豆腐は大きくて味が濃いです。
県外の昔ながらのお豆腐屋さんでは豆腐を冷水の入った大きなケースで販売されていますね。沖縄県内のスーパーの店頭では、島豆腐を入れた袋は口を開けたままの状態でケースに並べられていて“あちこーこー(熱々)”のまま販売されています。
スーパーには「豆腐の入庫時間」が表示されていたり「島豆腐が入庫しました」ってアナウンスが流れることもありました。
現在は、国際的な衛生管理基準「HACCP(ハサップ)」に沿って、製品温度は55℃以上に維持し、55℃未満になってからは3時間以内に消費するか冷蔵保存をするなどの衛生管理が義務化されたため、”あちこーこー”の島豆腐を取り扱わないスーパーも増えてきました。
県外では「沖縄のアンテナショップ」や通販なら島豆腐を入手することは出来そうですが、飲食店が毎日仕入れるのは難しいと考えられます。
塩が異なる
沖縄のスーパーでは塩の種類が豊富です。
なかでも天然塩や自然塩はミネラルが豊富であることと独特の風味が特徴です。精製塩には出せない味が出ていると思います。
ゴーヤーの種類が異なる
ゴーヤーと言っても種類が豊富です。
あばしゴーヤーが苦みが少ないタイプと言われています。沖縄県外でどの程度流通しているかはわからないので、スーパーなどでチェックしてみてください。
私の独断と偏見で3つをあげましたが、出汁も異なるような気もします。
そもそもチャンプルーに決まりはない⁉
「チャンプルー料理」とは「島豆腐を使った炒め物」のことを言うと書きました。
ですが、それ以外の決まりはないんです。
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調べてみると沖縄には”特に決まりはない”と言うのが多いです。面白いですね。
スパムや豚肉を使うことが多いですが、お肉をまったく使わないゴーヤーチャンプルーを出しているお店もあります。
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「アワモリプラス」のゴーヤーチャンプルー
ゴーヤーと一緒に炒める野菜にも決まりはないので、お店や家庭によってモヤシ、キャベツ、にんじんなどなんでもOKです。
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あやぐ食堂のゴーヤーチャンプルー
家庭なら冷蔵庫の中身と相談して作れますし、お店では旬の食材を使ったりゴーヤーの厚さを変えるなどして差別化を図ります。
県外と沖縄ではゴーヤーチャンプルーの味が違っていて当然なのですね。
チャンプルーはゴーヤーだけじゃない!
何度も書きますが「チャンプルー料理」とは「島豆腐を使った炒め物」のことを言うので、ゴーヤーだけではありません。
麩を使うとフーチャンプルー
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ななほし食堂のフーチャンプルー
チキナー(からし菜)を使うとチキナーチャンプルー、モヤシを使うとマーミナーチャンプルーなどとたくさんあります。
そうめんを使う時は島豆腐を使わないことと、デンプン質であることからソーメンタシヤーと言いますが(諸説あり)既にごちゃごちゃになっていて「ソーメンチャンプルー」って言うことも多いです。
昆布(クーブ)を使う時は島豆腐を使わないのでクーブイリチーです。クーブはチャンプルーって言わないですね。
沖縄料理屋さんでゴーヤー以外のチャンプルーがあったら是非食べてみてください。新しい発見があるかもしれませんよ。