沖縄情報

沖縄にはお正月が3回あった~正月・旧正月・旧十六日祭~

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私は沖縄に移住して、10年以上経ちました。

地域で大切にしているものは、文化が詰まっているので、リスペクトしたいと考えています。

なんと、沖縄のお正月は3回もあったのです。

調べてみたので紹介します。

※22年1月のブログに加筆して公開します。

沖縄のお正月1~1月1日~

まずは新暦、1月1日のお正月ですね。

親戚が集まったり初日の出や初詣に行ったり、年賀状を送ったり、お年玉をもらったりするのは県外と同じです。

沖縄独特なのは、おせち料理がなく、お雑煮も食べないことでしょうか。(おせちやお雑煮を食べる家庭は少数派です。)

沖縄では、重箱料理をお供えして、オードブルや中身汁などを食べるのです。

最近では、県外出身の方も増えたので、スーパーなどにおせちの材料も並んでますが、種類も量も少ないです。

沖縄のお正月2~旧正月~

次に巡ってくるのが、旧正月です。

旧正月とは旧暦(太陰暦)の正月のことです。

日本では、1872年(明治5年)に、それまでの太陰暦にかわり太陽暦(現代の暦)を採用したので、太陰暦のことを旧暦とも言うようになりました。

沖縄では今でも旧暦で行う行事がたくさんあって、ハーリー、旧盆、タンカユーエー、ムーチーなど。旧正月もそのひとつです。

旧暦と現在の暦はズレがあるので、毎年旧正月の日付が異なることになります。

  • 2021年:2月12日
  • 2022年:2月1日
  • 2023年:1月22日
  • 2024年:2月10日
  • 2025年:1月29日

ややこしいので、沖縄で販売されているカレンダーには旧暦や行事が書き込まれているものが多いです。県外出身の私でも、旧暦が書いてあるほうが行事がわかりやすいので使いやすいです(笑)

旧正月も、親戚が集まり重箱料理をお供えして、オードブル、中身汁などを食べます。スーパーや市場にはお正月料理の材料やお飾りが並びます。

地域によって家庭によって、新正月と旧正月のどちらを祝うかは異なるようです。

海人の街、糸満は旧正月を盛大に祝うことで有名です。漁船には大漁旗を掲げ、大漁や海の安全を祈願するそうで、いつか見てみたいです。

旧正月は基本的に学校や職場などは休みになりませんが、施設やお店によっては旧正月はお休みするところもありますのでチェックしてください。

ちなみに那覇の牧志公設市場は、新暦のお正月も旧正月もお休みとなります。

沖縄のお正月3~旧十六日祭(キュウジュウルクニチー)~

3回目のお正月は、旧十六日祭です。あの世(グソー)のお正月とも言われています。

2022年は2月16日。
2023年は2月6日。
2024年は2月25日です。

この日は、ご先祖様が眠るお墓に重箱料理をお供えして、(または島の方角を向かってお供えすることもあるようです)みんなで重箱料理を頂く、先祖供養の意味合いのほうが強い行事のようです。特に宮古島、八重山地方で大事にされています。旧十六日祭を行うかも、地域や家庭によって異なります。

「十六日祭」の由来は、琉球王朝時代にさかのぼります。元日から15日までの諸行事の勤めを済ませた家来が16日に故郷の父母に会いに帰省しましたが、すでに父母は他界していたため、年頭の辞を墓前で述べたことが始まりと言われています。

重箱料理ってなあに?


↑重箱に入っていませんが、中身は同じです。

重箱料理

お正月だけでなく、沖縄の行事に欠かせないのが、重箱料理です。お正月だけでなく、旧盆や清明(しーみー)の時などにも用意します。

重箱の内容は、地域や家庭によって異なっていますが、基本的には三枚肉、厚揚げ、田いも、ごぼう、こんにゃく、魚てんぷら、赤かまぼこ、カステラかまぼこ、昆布の9品です。

お料理の種類も奇数で、それぞれ盛り付ける数も奇数にする決まりがあります。重箱にきれいに、ぎゅうぎゅうに詰めます。この重箱料理とお餅が定番となっています。

重箱料理は御三味(ウサンミ)とも言います。「天と地と海」の食材を使った料理をお供えする意味です。

生の魚は保存が難しいので、かまぼこになったの説もあります。

田いもは親芋を囲むように小芋がつくことから、子孫繁栄の縁起物とされています。

以前は、おばあちゃんからお母さん、お嫁さんと引き継がれて、全て家庭で作っていたようですが、今はスーパーやてんぷら店などでも購入することができます。どれをどう手作りするのかの割合は、各家庭で異なっていると考えられます。

重箱料理には決まりがあるのですが、オードブルはおかずを盛り合わせたもののことで、全く決まりがないというのも面白いですね。

観光で沖縄を訪れただけでは、なかなか目にすることが出来ませんし、移住してもなかなか参加できませんが、地域の方が大切にしているものは、脈々と受け継がれてきたものなので、敬意を表したいですね。

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