首里城など沖縄のお城は、県外のお城と違って、天守閣がありません。
他にもいろいろ違う点があるとか。ならば、いろんな城跡を見てみたいと思いました。
今回は「中城城(なかぐすくじょう)」です。
さっそく、紹介しましょう。
中城城はこんなお城
中城城(なかぐすくじょう)は14世紀後半ごろまでに、先中城按司(さちなかぐすくあじ)が数世代にわたって、中城城の主な部分を築き、1440年に護佐丸(ごさまる)が増築したと言われています。
按司(あじ)とは、その土地の権力者を指す言葉で、県外で言うところの豪族に当たります。
護佐丸は琉球王国の英雄です。ゆるキャラに採用されるなど、今でも人気の武将です。
諸説あるのですが、護佐丸が謀反を企んでいるとウソを国王に告げられ、阿麻和利(あまわり)に討たれてしまいます。この説を題材に、組踊「二童敵討(にどうてきうち)」が作られました。護佐丸の子供が生き残っていて、かたき討ちをするという内容です。
リアルに現在でも、護佐丸の子孫の方が生き延びて、今でもご健在というのも興味深いですね。
マジです。
話を戻しましょう。琉球王朝時代は、正殿などの建築物があったのですが、沖縄戦で焼失してしまいました。資料も残っていないので、どんな建物だったか、わからないそうです。見てみたかったですね。
1972年に国の史跡に指定され、2000年に世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」に登録されました。
中城城の正門からまわってみました
駐車場から、中城城の正門までは少し離れています。徒歩orカートで移動します。
途中工事しているところもありましたが、
矢印通りに歩くと見落とすことなく、見て回れます。
道の途中にはツワブキがたくさん咲いていました。
右側と左側で城壁の石積みが異なっているのが、お判りいただけるでしょうか。
中城城では、自然な石をそのまま積む野面積み(のづらづみ)と、四角く切った石を積む布積み(ぬのづみ)、六角形に切った石を積む、あいかた積み(亀甲乱れ積み)の3種類があります。
沖縄では古くから石積みの技術が発達していて、長い年月をかけて中城城が築かれたことがわかります。
数か所ある、アーチ形の門が美しいです。石をアールに加工する技術があったことがわかります。もちろん、城壁と同様に、漆喰(しっくい)やセメントは使われていません。ペリー提督も称賛したというのも、頷けますね。
新城(みーぐすく)とも呼ばれる三の郭です。城壁のカーブが美しいですね。沖縄の城壁に角がないのは、沖縄の人々が角を嫌ったからとも言われています。
天気に恵まれたので、青い空に美しい城壁が映えました。
城壁に登ってみました
城壁には登ることも出来ます。
石垣の上からは、西側に東シナ海、東に太平洋を望むことが出来ます。
作られた当時は、敵の襲来を見つけるためだったのかもしれませんが、今はこの素晴らしい眺望を満喫することにしましょう。
石垣は、琉球石灰岩を加工してつくられています。琉球石灰岩はもとはサンゴです。私は石垣の中に貝が混ざっているのも見つけました。長い長い年月をかけて、サンゴが琉球石灰岩になり、長い年月をかけて中城城が築かれ、現代の私たちが見ることが出来ると言うのは、浪漫ですねぇ。うっとり。
中城城の中には拝所も井戸もあった
中城城は標高160mの丘陵地にあります。水の確保が需要だったと見えて、井戸の後も残っています。
また、拝所(はいじょ・うがん)と呼ばれる神を拝む場所も8か所あります。
トモヤグラノ御イベです。
いにしえの琉球の人々は、目に見えないものを大事にして、過酷な自然環境を受け入れていたのではないでしょうか。県外出身の私ですが、拝所は空気感が違うと感じられます。
中城城は思っていたよりもずっと広く、城壁しかなくても十分魅力的な場所でした。
スニーカーにパンツスタイルなど、歩きやすい服装で是非どうぞ。
追記・中城城で能楽を見てきました
世界遺産の中城城で世界遺産の能楽を楽しもうと言う企画があったので、友人と2人で見に行くことにしました。
早めに着いたので中城城の中にある「GUSUKU ROCK CAFE」のコーヒーを飲みながら順番待ちをすることにしました。
1年ほど前にオープンしたこのカフェはアルベルト城間さんがプロデュースしたそうで自家焙煎の濃いめのコーヒーがおいしかったです。
追記・「グスクロック・カフェ」がオーガニック珈琲焙煎所として認定されたそうです。
【北中城】安座間珈琲(コーヒー)農園合同会社(北中城村仲順、安座間敏幸代表)が同村大城の中城城跡の敷地内で経営する「グスクロック・カフェ」がこのほど、国際オーガニック・テクニカル協会から県内初の「オーガニック珈琲焙煎(ばいせん)所」として認証された。
引用:沖縄タイムス
三の郭の前に特設の能舞台を設置して、琉球芸能の踊りと能「大江山」を見ます。夕景がとても美しいですね。
上演中は写真が撮影できないのですが、始まる前に虹が見えたのでこちらの写真を載せておきましょう。
能「大江山」は独特な節回しと古語が使われているのですが、ストーリーはわかりやすかったので楽しめました。
屋外公演はご苦労も多いと思いますが、とても幻想的でした。
追記・中城城でオペラを見てきました
「中城城で能楽」のイベントに引き続き、「中城城でオペラ」を見るイベントが開催されたので友人と一緒に見に行って来ました。
三の郭の隣に特設の舞台を設置して、プッチーニの「ラ・ボエーム」が上演されます。
私達は早めに到着したところ、キッチンカーエリアがあったので腹ごしらえすることにしました。
能楽の時はなかったので、とてもいいアイデアだと思います!
友人が注文したステーキ丼
私はバターチキンカレー
どちらも出来立てアツアツでボリュームたっぷりで、おいしく頂きました。
この日は昼間はとても暖かく上着がいらないくらいでしたが、夜になると寒くなってきました。カイロも配られましたが、ブランケットがあると良かったかもと思いました。
上演中の写真撮影は出来ませんでしたが、三の郭にはプロジェクションマッピングでイメージ画像や歌の訳などが表示されているところを撮影することが出来ました。
月がとても幻想的でした。
私達はオペラを見るのは初めてでしたが、歌だけで恋に落ちて永遠の別れを表現できるのは素晴らしいなと思いました。
古いものと新しいものが見事に融合していますね。曲線だらけの城壁に平面の画像をどやって映しているんでしょうね…
三の郭付近は開放感のあるエリアなので、これからもいろいろな試みが企画されることを期待します。
中城城へのアクセス
車の場合:
那覇空港自動車道路から(西原JCT)で沖縄自動車道へ合流し「北中城IC」で下車、「第一安谷屋交差点」>「安谷屋交差点」>道なりに進みます。
バスの場合:
イオンモール沖縄ライカムから、「グスクめぐりん」(100円)が便利です。
ドライバーの塩対応さえなければ、文句なしの快適さです。
史跡住所: 沖縄県中頭郡中城村泊1258番地
運営: 中城城跡共同管理協議会
TEL: 098-935-5719
事務局住所: 沖縄県中頭郡北中城村字大城503
観覧時間:8:30~17:00
観覧料:大人 400円/中・高生 300円/小学生 200円