浦添市は私の住んでいる那覇市の隣ですが、あまり行ったことがありませんでした。
先日、とてもいい天気だったので、浦添市を巡ってみることにしました。
浦添市美術館とカフェ「ぶどうの木」に続いて、浦添城跡です。
※22年3月のブログに加筆して公開します。
浦添ようどれと浦添城(うらそえぐすく)
浦添ようどれのほうが、ガイドブックなどに取り上げられることが多いように感じられますが、浦添城の敷地の中に、浦添ようどれがあります。
浦添城は、1265~1274年の間に英祖王(えいそおう)が築いたと言われています。1620年に浦添出身の尚寧(しょうねい)王が改修し、二人の王も葬られました。
「ようどれ」とは琉球の言葉で、「夕凪」の意味です。
浦添ようどれ館へ
浦添城跡へ行く前に、浦添ようどれ”館”に立ち寄りました。
古い写真や発掘調査の様子などがパネルで展示されています。こちらの見どころは、実物大で再現された、ようどれ西室(英祖王陵)の内部です。
実際のようどれの中に立ち入ることが出来ないので、とても貴重です。ようどれの内部は、思ったよりもずっと広く、天井が高いのが印象的でした。実際は岩壁に横穴を掘って作られているのですから、技術の高さがわかります。内部には石厨子(棺)がいくつかあって、大切に葬られているなと感じました。
浦添ようどれ館の基本情報
住所:浦添市仲間2-53-1
TEL:098-874-9345
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日・年末年始
入館料:大人100円 子供50円
※浦添城にはトイレがないので、こちらの利用をオススメします。
浦添ようどれへ
浦添ようどれ”館”から徒歩10分ほどで浦添城跡に到着しました。
なかなか広い城跡ですが、まずは浦添ようどれへ。
こちらの階段を降りていきます。すでに空気感が違います。
このあたりはトンネル状の門があったようですが、沖縄戦で崩れてしまいました。
トンネル状の門は”あの世”への道のようだったとも言われています。
ですが、私は沖縄のお墓は母親のお腹を表しているとも言われているので、産道かもしれないと思いました。母親のお腹から産道を通って誕生し、また産道を通って母親のお腹に戻るという考えだったのかもしれないと、妄想しました。
美しいアーチの門をくぐります。
こちらが浦添ようどれです。向かって右側が英祖王、左側が尚寧王のお墓と言われています。
浦添城の敷地の中に王陵があったことになるので、琉球の人々はお墓を恐れていたのではなく、見守って貰える存在だったのかもしれません。
浦添城の戦争の爪痕
ようどれから戻って、城跡を歩いていると美しい石積みが見えました。
左側
右側
案内板によると、戦後の採石のために城壁の石材が持ち出されてしまって、ほとんど残っていないと書かれていました。わずかに残っていた切石と新しい切石を使って復元されたものだそうです。いくら物資が不足していた時期だったとはいえ、史跡の石材まで持ち出されてしまうとは。悲しい石積みに見えてきました。
歩き進むと津々浦々が見渡せるところへ来ました。
実はここが映画にもなった、米軍から「ハクソー・リッジ」日本軍からは「前田高地」と呼ばれていたところなのです。首里城を守るための要所と考えられていたので、激戦地となってしまいました。
高台のこの地は敵の襲来を発見したり、崖を利用して壕を作るのに適していたのかもしれませんが、いつでも眺望を楽しめる世の中であって欲しいですね。
浦添城の城跡散策
浦添城は戦後の採石で北側を大きく削り取られてしまったために、城の様子がよくわかっていないのだそうです。資料も焼けてしまったものが多かったと考えられます…。
ここでわずかではありますが、遺構(建物の基礎部分)が見つかったので、正殿跡ではないかと考えられています。案内板に?が付いているのがせつないですね。
ディーグガマです。ディーグとはデイゴの木、ガマは洞穴で、鍾乳洞が陥没してできました。拝所(はいじょ・神に祈る場所)です。沖縄の城には必ず拝所があります。沖縄の人々が常に神の存在を大事にしていたことが良くわかります。
石畳道
尚寧王が1597年に首里と浦添城を結ぶ石畳道を整備しました。
琉球王朝時代でも、雨が降ると道路がぬかるんでしまいますから、道路の整備は必須だったのでしょう。
浦添城の前の碑です。石畳道の竣工記念碑と言われています。きっと相当な苦労があったはずなので、石碑を立てて、労をねぎらったのかもしれないなと、またまた妄想しました。
石碑の後ろに、モノレールの軌道が見えます。新しいものと古いものの両方の共存が必要ですね。
帰り道に発掘調査中の札と作業をしている方を見ました。調査が進むといいですね。
浦添城跡へのアクセス
住所:沖縄県浦添市仲間2丁目53−1
TEL:098-873-0700
上記の通り、浦添ようどれ館→浦添ようどれ→浦添城の順で回ったほうがわかりやすいです。
歩きやすいくつと服装で、紫外線対策を十分に行ってください。