国立劇場おきなわの組踊観賞と賀数仁然さんの解説付き歴史ツアーに参加するつもりでしたが、ツアーが中止になってしまいました。
組踊の公演は開催されていたので、友人と組踊「万歳敵討(まんざいてきうち)」を鑑賞してきました。
なんと、組踊「万歳敵討(まんざいてきうち)」とエイサーには共通点があったのです。
紹介しましょう。
組踊の基礎知識
この日は夏休み期間だったので、親子観賞会でした。
第一部は子供にもわかるような組踊の解説、第二部が組踊「万歳敵討」の公演でした。
組踊について解説していただいたのをまとめてみます。
組踊は約300年前に玉城朝薫(たまぐすく・ちょうくん)によって作られました。当時、琉球は国王が変わるたびに中国の皇帝に認めてもらう冊封関係にありました。
中国の皇帝の使いである冊封使(さっぽうし)は、今風に言うと超VIPです。冊封使は400~500人の使節団でした。風向きが変わらないと船で帰れないので、琉球に半年くらい滞在しました。
冊封使のおもてなしのひとつとして、組踊が演じられたのです。
組踊は県外の歌舞伎や能などの芸能に沖縄の芸能を加えて作られています。
地謡(じうてー)と呼ばれる歌三線などの音楽に乗せ、抑揚のある節回しが特徴なので、今のミュージカルに近いと言えます。
ちなみに、玉城朝薫の肖像画は残っていませんが、イケメンだったと言われています。
この辺の話は、過去の組踊&歴史ツアーにも書いています。
組踊「万歳敵討(まんざいてきうち)」とエイサーの共通点
「万歳敵討」は田里朝直(たさと・ちょうちょく)の作品です。
ものすごくざっくりと「万歳敵討」のストーリーを紹介します。
きっと、冊封使は食事をしながら、お酒を飲みながら組踊を鑑賞したのでしょうから、シンプルでわかりやすいストーリーだったのでしょうね。
万歳(まんざい)とは、今のお笑いの漫才のルーツとも言われています。万歳とは歌や舞を披露する門付芸能や芸人のことを言います。
万歳は日本各地で見られた芸能ですが、琉球では京太郎(チョンダラー)と呼ばれていました。
今では京太郎(チョンダラー)と言えば、エイサーの時の道化役のことを言いますね。
チョンダラーに泣かされる子供
#残したい沖縄 pic.twitter.com/YS3NaoOHVM— 🤤チェッカーズ無双🤤 (@skt7mm) April 14, 2019
エイサーの時のチョンダラーは、顔は白塗りでわざと着物を着崩しています。道化役に見えますが、エイサーの隊列の整理をしたり、観客を盛り上げたりと、全体を見渡す大事なポジションなのです。
昔の京太郎(ちょんだらー)は、お盆や葬祭の時は念仏者(にんぶちゃー)としてお寺のお手伝いをしました。エイサーは念仏踊りがルーツとも言われていますので、共通点があるのかもしれませんね。
国立劇場おきなわの様子と基本情報
国立劇場おきなわは、広々とした美しい劇場です。
国立劇場おきなわの案内図はこちらです。
建物をぐるっと囲むように駐車場があるので、とても便利ですね。
入り口から入って右側にはコーヒーを飲んだり、食事も出来るロビーがありますので、組踊の鑑賞前に腹ごしらえをすることも可能です。
トイレの表記もエイサーなんですね(笑)
劇場の写真を撮ることはできませんでしたが、舞台の左右の電光掲示板に字幕が出ますので、言葉がわからなくても大丈夫です。イヤフォンガイドも貸して貰えるので、利用しても良いですね。
チケットはネットでも購入できます。もっと気軽な気持ちで組踊を見てみませんか?
国立劇場おきなわへのアクセス
勢理客(じっちゃく)交差点から海に向けに進み、右側にあります。歩いても7,8分です。
路線バスの場合、国立劇場おきなわで下車すると便利ですが、本数が少ないのでご注意ください。
住所:沖縄県浦添市勢理客4-14-1
TEL:098-871-3350