私は落語が好きです。中学の頃からラジオから流れる落語で笑っていた記憶があります。
高校の時は友人が落研にいて、文化祭では高座に上がった時に私をマクラに使ったなんてこともありました。
友人に誘われて「春風亭一之輔のドッサリまわるぜ2024」を見に行って来ました。
私はアマチュアの方や二つ目の方の落語は生で見たことありますが、真打の落語は初めてでした。
会場は「てだこホール」
会場は浦添市の「てだこホール」です。2階席もある広い会場なので、ギリギリでしたがチケットが取れたのですけど、こんなに広い会場で座っているだけの落語を披露するって、そうとう芸がないと厳しいんじゃないだろうかと心配になりました。
客層は割と高めです。そりゃそうですね。小さな子供がいなかったのはちょっと意外な気もしました。
着物姿のお客様もいましたが、ちょっと着方が…でした。
前説~前座
なんと前説も洋服姿の春風亭一之輔さんが自ら行ってくださいました。いつもそうなんだそうです。
「スマホ切っておいてくださいね」なんて話ながら、お客様の年齢層などを確認して、どの噺をするかを決めているようです。
なるほどー。
前座はその土地の出身の若手の落語家さんがつとめるそうで、この日は三遊亭歌之助さんの「てんしき」でした。
てんしきのあらすじは
物知りの住職が体調を崩し、お医者様に診て貰います。お医者様が「てんしきはありますか?」と尋ねます。「てんしきとはなんですか?」と聞けない住職は小僧の珍念さんに「てんしきを借りてくるように」と申しつけます。ところがどこへ行っても借りられません…
何度も聞いたことがある噺ですが、くすっと笑ってしまうお話です。
「春風亭一之輔さんの落語です」
着物に着替えた春風亭一之輔さんが出囃子に乗って登場しました。
まずは「真田小僧」。
お小遣いの欲しい子供が父親にねだりますが貰えません。子供が「じゃ、お母さんに、お父さんが留守の間に来たおじちゃんの話を方々でするよって言ってお小遣い貰ってこよう。」と言うと父親が食いついてきます…
オチがわかればなんてことはないんですが、想像を掻き立てられるのが面白いところで、これは腕がないと!
春風亭一之輔さんは座布団の上で、大きく身振り手振りをしながら話しているのでとてもわかりやすく、面白かったです。
2つ目の噺は「短命」
植木職人の八五郎が先代から出入りしている伊勢屋の一人娘の婿養子が続けて3人死んだと言う。八五郎はなぜだろうと不思議に思って横町の隠居の所に聞きにきます…
隠居は説明しますが、八五郎は疎いのでなかなか察することが出来ません。だんだんと色っぽい話になってくるという噺です。
春風亭一之輔さんは座布団の上で、のけぞったり突っ伏したりと大きく動きながら話していたので、とてもわかりやすかったです。
休憩をはさんでもうひと席ありました。
「明烏」です。
堅物のせがれを持つ父親は心配して、お稲荷様参りと噓をついて、遊び人の2人を指南役に吉原に遊びに行かせます。ずっと帰りたがっていた堅物のせがれですが、絶世の美女の花魁が相方に着くと…
最初の2つの噺はちょっぴり色っぽいお話でしたが、3つ目は廓話(くるわばなし)なので女遊びの噺です。話を聞いてみると思っているよりも、ずっと粋な遊びだったことがよくわかります。
春風亭一之輔さんが甘納豆を食べる仕草がリアルで、女性にフラれた遊び人たちの不貞腐れた感じが伝わってきました。
子供がいなかったので、こんな色っぽい噺になったんでしょうね。
やはり真打の噺は全然違うんだなと思いました。楽しい一日になりました。